① 田んぼのスタートはいつ?

① 田んぼのスタートはいつ?

まず米作りのスタートはどこからなのか?という話です。

あまり田んぼに関わりのない方々からすると、田植えから米作りが始まるとイメージしがちですが、実は田植えの頃には米作りの1年の半分以上はもう終わってしまっています。

じゃあどこからがスタートなのかというと、『稲刈り直後』から米作りは始まります。

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(↑稲刈り直後の写真)

稲刈りが終わればお米農家は一休み。では決して無く、すぐに来年の米作りが始まります。

稲刈り直後はまだ地温の温かく微生物が活発に働いているので、なるべく早いうちに田んぼを耕耘し、稲株・稲わらの早期醗酵・腐熟を促します。

この秋の耕耘が遅れ、稲わらの醗酵が中途半端なまま春の田植えを迎えると、春になって地温が上がると土に埋もれた中途半端に醗酵した稲わらが再度発酵しだし、メタンガスを発生します。

このメタンガスが実は稲にとって厄介な代物で、稲はメタンガスを浴びると成長が阻害され健全な稲株に成長することが出来ません。
また中途半端に残った稲わらは雑草の温床にもなります。

そういうことから春までにいかに稲わらを腐らせるか?が秋から田植えまでの重要なキーワードになってきます。

「稲刈りが終わればお米農家は一休み。では決して無く、すぐに来年の米作りが始まる」
先ほどこう書きましたが、実は
「稲わらの発酵促進のためには稲刈り直後に耕耘せざるを得ない。」
ということなのです。

秋にきちんと耕耘作業をしておくことにより、春に稲はしっかり成長してくれるのです。

そしてさらに花里田んぼでは稲刈り直後に耕耘作業にプラスしてもう一手間かけていますがそれは次回で。

② 耕転作業とエサやり(?)

② 耕転作業とエサやり(?)

稲刈り直後の耕耘作業にプラスして花里の田んぼでは、米ぬかを散布しています。

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前回「春までにいかに稲わらを腐らせるかが勝負!」と書きましたが、この「稲わらを腐らせる作業」は田んぼの中の土壌微生物が稲わらを分解することによって行われます。この土壌微生物に米ぬかを与えることによって、微生物の活動が活発化し稲わらの分解がさらに促進されるというわけです。

言うなれば『土壌微生物』に稲わらという『ご飯』と米ぬかという『おかず』を与えていることになります。

この米ぬかは「肥料」というより微生物のための「エサ」ということになりますね。

ここからさらに微生物活発化のために、ミネラル資材を投入します。

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貝化石肥料とグアノです。

この2つは中々聞き慣れない肥料かもしれません。

まず貝化石肥料ですがこれはその名の通りで貝が化石化したものです。

太古の海の貝がらや、海藻が沈殿し化石化したもので太古の海のミネラルが豊富に含まれていて微生物活発化だけでなく、稲の成長に不可欠な珪酸分、カルシウム分などの微量要素も多く含まれています。

もう一つの肥料グアノ。

これまた聞き慣れない肥料ですが、こちらはサンゴ礁に海鳥のフンや死骸、さらに魚などが堆積し化石化したものです。

これも貝化石肥料と同じく海のミネラルが抱負な肥料で、微生物活発化に一役買ってくれるだけでなく貝化石肥料とは違った微量要素が多く含まれています。

僕は化学肥料=悪だなんて思っていませんが、石灰などの無機肥料は土壌微生物を殺してしまうものが多いため微生物にやさしい有機肥料を使うようにしています。


さて、この秋から春までの間にいかに微生物にしっかり働いてもらうか?微生物により良い環境を提供できるか?が重要だと言えます。

そして田んぼの一年を通して土作りをできるのはこの秋から冬にかけての間だけです。

僕はこの土づくり期間が米作りの1年のウチ一番大事なのだとも思っています。


さて次回は冬の花里田んぼの様子を書きたいと思います。


③ 冬期湛水

③ 冬期湛水

今回は冬期湛水の話。

米ぬか、ミネラル資材を投入した後、冬の間田んぼを寝かせるわけですが、花里の田んぼでは冬の間水を張っています。

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冬の間水を張っていると、水の中にいるイトミミズやドジョウなどの小動物たちが田んぼの中で活動するため、小動物の排泄物や死骸が微生物の餌となり、微生物が活発に活動してくれます。

また水を張る効果はそれだけにとどまらず、冬期間水を張って土への酸素供給を遮断すると雑草のタネが呼吸できず発芽できなくなり、稲作期間中の雑草が減ります。

さらに渡り鳥たちの羽休め場、餌場を提供することにもなるので、自然環境維持にもつながります。

さて次回は米作りで最も重要だと言われている『育苗』について書こうと思います!

④ 育苗

④ 育苗

今回は育苗の話。

昔から稲作農家の間では『苗半作』と言って苗の出来しだいでその年の作柄の半分以上は決まってしまうと言われている重要な工程になります。

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花里で使っている苗は、湯温消毒された籾に無肥料の土を使用した苗箱を使用しています。

当然ながら籾、苗に使っている土、共に農薬を使った消毒は一切使用していません。

無肥料の状態でも苗は3センチほどぐらいまでは成長するのですが、それ以降は成長が止まり、やがて枯れてしまうので、育苗開始後1週間ほど経過したら魚粕と米ぬかから作られた肥料を軽く散布し苗の成長を促します。

また慣行栽培の苗はハウスで加温しながら育てるのに対して、花里の育苗では加温せず露天で青空のもと育てています。

慣行栽培の、消毒がしてあって、肥料もたっぷりあって、ハウスで加温された苗は育苗開始後20日ほどで田植えができる成苗になるのに対し、無農薬、小肥料、無加温状態で育てられた花里の苗は成苗になるまで倍以上の50日程かかります。

慣行苗はほぼ100%ロスすること無く成長してくれますが、花里流で育てた苗はところどころ成長が悪いところがあり10%ほどロスが出ます。その代わり成苗になったものは葉茎ががっしりとした寸胴な苗に成長してくれるため、田植え後の経過が良好となり、倒れにくいしっかりとした稲に成長してくれます。

ただ露天栽培の難点はその年の天候によって苗の出来不出来が大きく左右されてしまいます。
特に去年の春は気温が中々上がらず、5月に入っても霜が降りる日があるというありさまで、苗の成長が悪くロスも大きく出てしまいました。
今年は改良型の露天栽培にする予定でいます。



さて、次回はいよいよ田植えです。

田んぼといえば田植えと稲刈りですよね~!

⑤ 荒起こし~代掻き~田植え

⑤ 荒起こし~代掻き~田植え

荒起し~代掻き~田植えの話です。

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『荒起し』とは冬の間に固くなった土を荒く耕耘すること。

『代掻き』とは田植え前に田んぼの土を綺麗に均すこと。


慣行栽培では、荒起し→代掻き→田植えという一連の作業を1~2週間の間に終わらてしまいます。

しかし、除草剤の使っていない花里の田んぼでは、この一連の作業にも雑草を抑えるべく一工夫凝らしたものになっています。

まず花里の田んぼは冬期間水を張っているので、田んぼの土はすでに柔らかい状態になっているため、荒起こしはせずにいきなり代掻きをします。

代掻き後水をヒタヒタにして一ヶ月ほど置いておくと雑草が芽を出してきます。

ある程度、雑草が芽を出したところで再度代掻きを実施し、雑草を土の中にすきこんでしまいます。こうすることによって初期段階の雑草をある程度抑制することが出来ます。

2回目の代掻き後数日のうちに田植えを行いますが、花里の田んぼでは坪当たり50株程度で植え付けを行っています(慣行栽培は坪60株)。ある程度疎植状態にすることによって、一株一株しっかり日光が当たり通風も良くなり健全な稲へと成長してくれます。


さて、いよいよ田植えが終了しました!

次回は無農薬栽培でもっとも辛い作業、除草作業になります!!

⑥ 除草

⑥ 除草

無農薬栽培にとって一番ネックになるのは何でしょうか?

稲の病気?
それとも害虫被害でしょうか?

いいえ、田んぼ内に生える雑草が一番のネックになります。

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病気にしろ害虫にしろ田んぼ一枚が受けるダメージは10分の1以下なのに対して、田んぼ内に雑草が生い茂る事と50%以上の減収につながります。

色んな所でよく聞くのですが、「田んぼは雑草さえなんとかなれば無農薬栽培でいける」と稲作農家の方はよく言います。

これに関しては僕も全くの同意で、雑草対策が田んぼの無農薬栽培のすべてと言っても過言ではありません。

僕のまわりにいるその道数十年のベテランの有機栽培農家でさえ毎年雑草対策に頭を悩ませています。

さて、そんな困難極める雑草対策ですが、花里の田んぼでは”2つ”の雑草対策を取り入れています。


まずひとつはチェーン除草。

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田植え後苗が活着したら↑の写真のチェーンを田んぼ内で引っ張り雑草を絡め取るという除草方法です。

この方法は雑草の芽が出たばかりの小さいうちは有効なのですが、ある程度根が張ってしまうと取ることが出来ません。初期段階の雑草のみ有効な手段です。


もう一つは米ぬか除草です。

これは田植え後の水田に米ぬかをばらまくのですが、水田内にばらまかれた米ぬかは水の中で発酵し酸欠状態を作り出すため雑草の種の発芽を抑制します。また米ぬかによって田んぼの水がにごり、太陽光を遮断するため、これまた雑草の種の発芽を抑制してくれます。

とまあ以上2つの除草作業を行っているのですが、実際のところ田んぼ内に雑草が生い茂っているのが実情です。

まだまだこれから改善していかなければなりません。



さて、次回は肥料についてです。

花里の田んぼではどんな肥料を使っているかお話したいと思います!


⑦ 肥料のおはなし

⑦ 肥料のおはなし

まずは慣行栽培での肥料について。

慣行栽培のすべてというわけではありませんが、今スタンダードになっているのは”一発型”と言われる肥料です。

一発型肥料というのは速効性肥料と暖効性肥料が混ぜ合わさった肥料のことで、田植え時にその肥料を散布すると追肥の必要がない、その肥料”一発”で良いという肥料です。

今の田植機は大体施肥機も実装されているので、田植えしながら肥料を散布し、さらに追肥の必要がないので、省力化の観点から多くの稲作農家がこの一発肥料を使っています。

ただこの一発肥料、デメリットもあって一度この肥料を与えると後から微調整が出来ないという問題点もあります。

予想外に肥料が効きすぎて稲が過剰生育して倒れてしまったり、逆にあまり肥料が効かずに成長不足に陥るということもあります。

それを嫌う昔ながらの農家は未だに一発肥料ではなく、稲の成長度合いを確認しながら細かく肥料を散布している方もいます。


さて、話は戻って花里の肥料の話。
一発型の肥料はすべて化学肥料に分類されてしまうので、花里田んぼでは一発型の化学肥料ではなく、有機肥料を成長の度合いを確認しながら散布しています。

そして使っている肥料はジャパンバイオファームという会社のオーガニック7・4・2というものを使っています。

この肥料は魚粕に米ぬかを合わせただけの非常にシンプルなつくりになっています。
魚粕は肥料の王様と言われていて、それを使った作物は食味が大きく向上すると言われています。この肥料を稲の肥料として使った場合、食味向上だけでなくお米の粘り気やモチっとした食感を生み出してくれます。
(余談ですが実際この肥料を使い出してから、お米の食感がとてもモチモチとしたものに変わりました。)

ちょっと話は変わるかもしれませんが、お米というのは実は肥料が少なければ少ないほど食味が良いと言われています。
じゃあ少なくすれば?と思うかもしれませんが肥料を減らしすぎると当然収穫量が減ってしまいます。
食味を取るのか?収量を取るのか?
稲作農家はこんなジレンマを抱えながら栽培しているのですが、ベストは収量を落とさずに食味も良いお米を取ること。
なかなか難しいことですが、僕の知っている中でそれができるのは数人、日本全国でも名人クラスでなければ出来ないでしょう。
これこそ稲作農家の腕の見せどころ。

現時点の僕はまだまだ未熟ですが、しっかり腕を磨いて『収量を落とさずに良食味のお米』をいつか実現させます。

⑧ 畦草刈り

⑧ 畦草刈り

今回は田んぼにおける地味作業の一つ”畦草刈り”お話。
地味なので興味のない方は読み飛ばしちゃって下さい(;´Д`)


田んぼは田植えが終わると稲刈りまであまり仕事が無いみたいなイメージがありますが、稲作農家は田植え後もほぼ毎日田んぼに足を運んで何かしらの作業をしています。

ただ慣行栽培だと除草剤などの農薬が使えるため田植え後の作業量は減りますが、無農薬栽培だと前回アップしたチェーン除草などのように無農薬栽培ならではの作業がグンと増えてしまいます。

その無農薬栽培ならではの増える作業の一つが”畦草刈り”です。

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慣行栽培なら除草剤が散布できるので畦草刈りの頻度は下がりますが、無農薬栽培だとマメに草を刈っておかないとすぐ草ボーボーになってしまいます。特に梅雨時期の雨の多いころは、雑草の成長も早く草刈りの頻度も多くて、この頃になるとほとんど毎日田んぼで草刈りを行っています。

ところでなぜ畦草を刈らなければいけないかというと、田んぼの景観維持やあぜ道を歩きやすくすると言った意味もありますが第一の理由は”カメムシ防除”です。

カメムシは稲の籾にストローのようなくちばしを突き刺し、お米の汁を吸ってしまう害虫で、カメムシに吸われたお米には黒い斑点がついてしまいます。いわゆる”斑点米”の原因となる害虫です。

カメムシは田んぼの畦に多く生えているイネ科の雑草を住処として、そこから田んぼに侵入します。カメムシの行動範囲はそれほど広くないので、畦草を刈って田んぼの近くのカメムシの住処を潰してしまえば、田んぼに進入するカメムシも減ってくれるというわけです。

8月頃になりある程度成長したカメムシは、稲のお米よりイネ科雑草の実の方を好んで食するので、逆に畦草を残しておいたほうがカメムシは田んぼ内に侵入しなくなります。そのため畦草刈り作業は、カメムシの産卵が始まる前の6月初旬から産卵の終わる7月末頃まで行います。


とまあ畦草刈りはこんな感じでやってるんですよ~。
ただ畦草を刈っているように見せて実は色々考えながらやってるんです(;^ω^)

⑨ 田んぼの水管理1

⑨ 田んぼの水管理1

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稲には大きく分けて”陸稲”という畑栽培のものと”水稲”という田んぼによる半水耕栽培のものがあります。

一般的に出回っているものほぼ水耕栽培のもので、花里の田んぼも御存知の通り”水稲”を栽培しています。

そして田んぼで育てる”水稲”は名前に”水”の文字がつくだけあって、水管理によって田植え後の成長がよくも悪くもなるという重要な作業になります。


さて、具体的に花里田んぼの水管理を説明します。

まず最初は田植え後に入水。そこから田んぼの水管理が始まります。そして田植え後一ヶ月ほどがもっとも水管理に時間と神経を費やします。

田植え後の苗がまだ短い状態の時に苗がかぶってしまうぐらいの水を田んぼに入れてしまうと(水位が高いと)、水没した苗は呼吸ができなくなってしまい腐ってしまいます。
かと言って水が少なく田面の土が見えてしまうぐらいに水が少ないと、ヒエなどの陸生植物の種が空気を吸って発芽してしまいます。(慣行栽培の除草剤を散布してある田んぼですとそう簡単に雑草は生えてきませんが、無農薬の除草剤を散布していない田んぼはいとも簡単に雑草が芽を出します)
苗が水没してもダメ、かと言って土も見えたらダメと田んぼの水位を数センチ単位でコントロールしなくてはいけないので非常に気を使います。また、田植え後苗がある程度成長してくれるまでは、一日に何回も田んぼに足を運び、水を足したり、落水したりして水位を一定に保たなくてはいけません。

田植え後2週間ほどすると苗がある程度成長してくるので、今まで一定に保っていた水位を苗の成長にあわせ高くしていきます。
水位を高く保つことを”深水管理”というのですが、この深水状態を維持する事によって土の中にある雑草に水圧がかかり、発芽することを抑制する事ができます。また稲は深水状態になると根を土中深くまで力強く張ってくれるので、後々の成長が良くなり、分げつもよく、太くたくましい稲に成長してくれます。

⑩ 田んぼの水管理2

⑩ 田んぼの水管理2

引き続き水管理についてです。

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6月中旬ころになると、”中干し”と言って田んぼの水を切り、田面に軽くヒビが入るくらいまで乾かす作業をします。
この時期になると前年の秋、田んぼに鋤きこんだワラから腐敗ガス(メタンガス)が発生するので、田んぼにヒビを入れて土中のガスを発散させます。このガスが発生すると稲の呼吸を妨げ、成長が鈍化してしまいます
また、田んぼにヒビを入れ土内に空気を送り込み根を酸素に触れさせる狙いもあります。

・・・と、いうのは一般的な田んぼ(JAの指導書にはこのようなことが書いてあります)であって、実ははこの”中干し作業”、花里の田んぼではほとんど行っていません!
何故かと言うと、まずこのガス沸き、秋から冬にかけてしっかりワラを腐らせておけば問題ない程度のガス沸き量になります。
そして根に空気を送り込み、呼吸をさせると言う点ですが、こんなもん誰が言い出したか知りませんがウソっぱちです!
稲は茎の部分が空洞になっているので、稲の根はそこから空気を取り込めるような構造になっているのです。
稲(水稲)というのは水があるところに生息する植物です。
中干しなどという水を切る行為をしても、稲は喜びません。

というわけで、花里の田んぼはガスが発生しにくい処理を秋口に行っているので、中干しはせずに”深水管理”を6月下旬から7月上旬まで続けます。
本当は稲刈り直前まで深水管理を続けたほうが稲には良いのですが、稲刈り時期に土がぬかるんでいるとコンバインを田んぼに入れることができなくなるので、7月上旬ぐらいから水の量を減らしヒタヒタ状態にします。

またそれと同時に稲刈り時期の田んぼの乾きを良くするために、上の写真にあるように排水性を良くするための溝を田んぼの中に何本も掘ります。

その後ヒタヒタ水状態を7月下旬頃まで続けます。
稲は大体出穂時期ぐらいまでたくさん水を吸うのですが、その後徐々に水の吸う量が減ってくるため、それに合わせて田んぼの水も減らしていきます。

そして稲刈り時期に足あとがつかなくなるくらいまで田んぼを乾し、「稲刈り」という運びになります。
ただこれはベストな水管理であって、実際のところはそうは上手く行きません。
田んぼは一枚一枚癖があって、水持ちの良い田んぼがあれば水はけが良すぎる田んぼもある。水を早く切って田んぼを乾かせすぎると稲が弱ってしまうし、水を与えすぎると田がぬかるんで稲刈りができなくなってしまう。
特に去年は稲刈り前に大雨が続き、他の水を切りたくても切れない状態が続いてしまい、ぬかるんだ状態での稲刈りとなってしまいました。

この水管理もまた農家の腕によって大きく左右される項目の一つだと思います。

⑪ 稲刈り

⑪ 稲刈り

いよいよ稲刈りです。

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品種によって刈り取り時期は違いますが、花里で栽培している”コシヒカリ”の刈り取り時期は大体9月上旬頃(5月上旬に田植えをしたとして)です。

この辺りではコシヒカリが最も多く栽培されているので、9月上旬頃に稲刈りをしている風景を皆さんもよく見るのではないでしょうか?

ただ、実はと言うとこの刈り取り時期も、美味しいお米を作る上で非常に重要な要素で、刈り取り時期が遅れると味が落ちてしまいます。
じゃあどうやってお米の美味しい時期を特定するのかというと、”積算温度”を計測することによってお米の美味しい時期を特定しています。
「出穂から数えて積算温度が1000℃になった時」に刈り取ったお米が、もっとも美味しいお米になります。

出穂とは稲穂が現れた時。積算温度とはその日の平均気温を一日一日足していった合計温度。
7月下旬に出穂するので、その日が積算の起点となり1000℃に達するのが大体9月上旬頃。
しかし真の刈り取り適期は実は3~4日ほどしかありません。

花里田んぼも当然その日を狙って刈り取りを行うのですが、9月上旬というのはこの北陸地方では秋雨前線がかかっている時期で雨が多く、中々思ったように刈り取りできないのが実情です。


とまあそんなことを考えながらも、稲刈りは田んぼで1年の最大イベント!
秋晴れの中コンバインでの刈り取り作業は格別で、1年の野良仕事の苦労も吹き飛びます!

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刈り取り後の籾は乾燥、調製を経て玄米へ。

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そうして感慨にふけるのもつかの間で、花里田んぼの米作り①に書いたように来期に向けてすぐ土作りの始まりとなるのです。

さて、ようやく『花里田んぼの米作り』終了しました!
当初、6回ぐらいで終わる予定でいたんですが想像以上に長くなっちゃいました(;´Д`)
ちなみにですが、今回11回にわたって連載してきた『花里田んぼの米作り』は基本的に『無農薬栽培の花里の米』をベースに書いてあります。
そして僕はまだまだ未熟なので毎年少しづつ栽培法を変えていっています。なので今回書いたのは去年の作り方。今年は去年の反省を活かし、少し変えようと思っています。
今年の米作りについては花里ブログでお伝えしようと思いますので、皆さんそちらもお付き合いのほどよろしくお願いします。